書籍の内容
小学校、中学校を通じて9年間ほとんどの子どもたちが食べる学校給食。ここにこれからの子どもたちの体を守り、自国の食文化を継承する可能性があるという主旨の本。
給食として出されるデニッシュロール、焼きビーフン、餃子、コーヒー牛乳、コーンスープがいっしょという無国籍な献立や、その背景となる外国から輸入された「栄養バランス」という考え方への疑問など、小さな子どもを持つ親にとって気になる記述が続く。
スナック菓子やジュース、ファストフードなどに偏った食生活で起きる、肥満や、それに伴う子どもの成人病などを防ぐためにも、ごはん給食を週5回実施することを強く勧めている。
通読すると、給食の中身は国から押し付けられるものでなく、個人の力でも変えていかれるということがよくわかる。新入園、入学シーズンにお母さんたちにはぜひ一度手にとって欲しい。
補足
第3章では、2003年8月に徳島県で開催された「食と農のシンポジウム・元気な子どもを育てる食生活」における、基調講演(南国市教育長 西森善郎氏)やパネルディスカッションの内容が掲載されています。
大西聡は、パネリストの一人として参加しており、学校給食法についての解説や、ごはんが主食の日本でどうしてパンが主食の学校給食が確立していったか、また、そのことが現代日本人の食生活にどのような影響を与えているかなどについて述べています。
ぜひ一度読んでいただきたい一冊です。